軍事国債~戦争への強制的協力~

小学生の時から、作文が大嫌いだった。
今も変わらない(笑)。私にとって、書くことはしんどい。
でも、「表現できる」ことが、どんなに素晴らしいことなのかを知って、逃げないようにしている。

資料室に山積みの戦時国債

昨年秋から1月いっぱいかけて、TICO PLACEをゼミでの学習で利用してくださっている大学の先生に頼まれて、『学生が読む文章』を書いていた。

「いくらでも書いていいですよ。」

と言っていただいたものの、「どこまで書いてよいものか…。」と、かなり悩んだ。
構想だけで、あまりに時間を要したため、「こんなことしてたら、しないといけないことができなくなる!」と、簡単に終わらせようとした瞬間もあった。

でも、立ち止まって考えた。

「却下されるかもしれないけれど、学生さんに読んでもらう(伝える)チャンス
それに、資料室を受け継ぐことになって今まで、ただただ走り続けてきた。
多くの出会いがあり、知らなかったことを学び、それまでしたこともないような経験もさせてもらった。
なんだか、ようやくスタート地点に立てたような感じ。そんな今だからこそ、書くべきではないか。」

そう思い直して書くことに決めた。

2月3日に原稿を送った。今、見ていただいている最中で、採用していただけるかどうかは、分からないけれど、まずは、自分自身にとって、やってみてよかったと思っている。

今日は、その中の一つを紹介します。

(ちょうど国会で2025年度の予算が話し合われている時なので「防衛費」に関するお話です。)

軍事国債≫~防衛費は国民から~

総力戦で行われた戦争では、国民が資本家と化し、戦争に必要なものに支払うお金をつくった。そのことは、TICO PLACEに寄贈されたたくさんの債券が証明してくれている。特別金持ちでもなかった私の父ですら持っていた。小学生の子どもが「貯金をするぞ。」と日記に書く(次頁)くらい。子ども向けの「豆債券」もあったという。(TICO PLACEに豆債券を持って満面の笑顔で納まっている子ども達の写真を展示している。)大人も子どもも関係ない、正に『総力』。

2022年12月。岸田政権下で閣議決定された安全保障関連三文書によって、5年間で43兆円の防衛費にするということが決められた。今の1.6倍(東京新聞)の防衛費をどこから捻出しようというのか?

調べると、法律ができていた。

我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法(2023年6月23日施行)TICO PLACEがオープンしたその日に施行されている。因縁を感じる。

難しくて、理解するのに時間がかかったが、見過ごすことができないことが書かれていた。一部だが、紹介する。(資料3)

資料3

物価高騰。「今日は、キャベツはやめておこう。」「一番安いお米はどれだ?」「お菓子はガマン…。」と、家計とにらめっこしながらの買い物に時間がかかる。

「消費税率を下げてくれたら、ちょっとは買う気になるんだけどなぁ。きっと、他の人も同じじゃないかな。そうすれば、消費が増えて、少しは景気が良くなるんじゃないかなぁ。」
と、ずっと考えてきたが、与党政権からその声が上がらない。

「なるほど。そういうことか。」…非暴力での平和を求める国民への戦争加担を強いる仕組みに、涙。

「軍備拡張」と簡単に言うが、そこには、武器を使う生身の人間が必要。「攻撃された時に反撃する」には、訓練が必要。「かっこいい」ものでも何でもない。武器を使う命がけの訓練が、繰り返し長期に渡って必要なのだ。

テレビで、

「国を守るために、がんばっています!」

と話す自衛官の姿を見て、「あなたは、人を殺したり破壊したりするために生まれてきたの?本当にそれが、あなたのやりたいことなの?」と、問いかけたくなる。「私は、あなたに守ってほしいと思わない。私は、あなたに人間らしい幸せを見つけて生きてほしい。」と伝えたくなる。自衛官に、加害の苦しみを背負わせてはいけないと強く思う。

ウクライナとロシアの兵隊の戦死者の数。そして、今の自衛官の数。数を見ながら、戦う一人一人の姿を想像する。死んでいく一人一人の兵士の姿を想像する。戦死者を補う頭数として借り出された補充兵達が、どんなに悲しい最期を遂げたかを想像する…。

戦争に必要なものは何かな?」という問いに、子どもが『敵』と返してきたことがあった。なるほど!戦争を無くしたいなら、敵を無くせばいい

「敵を無くすには、お互いを知るために、交流してよい所を認め合う。」

平和を守るのは、軍備ではなく人間同士の交流だ。人間の力だ。

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