新しい年を迎えて

新しい年を迎えて10日も過ぎてしまいました。10日間、いえ、もっと前から、ずっと「北九州平和資料館の閉館後」のことで頭がいっぱいです。
やりたいことは妄想のように広がり、しかし現実問題が、鬱屈とした闇の中に私を引きずり込んでしまいます。



早朝の自分だけの時間。「今日こそはブログを書こう。」と机に向かったのですが、気が付くと、写真集「子どもたちの昭和史」に手を伸ばしていました。

こんな悲しい時代をつくってはいけない!
諦めかけている気持ちに火が付きます。

「子どもが好きなあなたにできることをすればいいんだよ。」

写真の中の子どもたちが、私を励ましてくれているように思えます。・・・

「伝えておきたいのです 私たちの子どものころのことを」松谷みよ子             

松谷みよ子さんの「伝えておきたいのです 私たちの子どものころのことを」という写真集冒頭の文章に、資料館の展示を任された頃の自分自身の思いを思い出しました。

「生きた人を想像できる展示に」
「自分のことのように想像できる展示に」
「現実を想像できる展示に」

戦争を直接経験していない私が、こんなにも戦争を憎むようになったのはどうしてか。と考えた時に達した結論が、「想像することができたから」でした。
戦争の時代を生きた人が、どんな毎日を送り、どんなことを考えていたのか。
戦争で死んだり、傷ついたりするとどうなるのか。
経験した人に話を聞き、本を読み、写真や映像を見て、具体的に戦争を知ることで、想像する力を養ってきたからです。

戦争の時代を生きた方々が居なくなっても、こうして想像する力を養うことで、戦争を心から憎み、平和を強く希求する人間を育てることはできる
そう確信しています。


博識な先輩方と同じことはできない。でも、自分だからできることがあるのかも・・・。


「一銭にもならんことを・・・」と、近親者に言われる。
「平和資料館を続けてください」と、来館者には言われる。
「平和や地球環境、人権のことを考える場所作りをしたい」と、私の内なる声は叫んでいる。うわごとのように・・・


「平和資料館を受け継げるのか」---
こうやって悩んでいる間に、日本は、軍事力を強化し、憲法9条改悪を行おうとしています。
想像するための事実を知らないことが、武力での解決方法を肯定するのではないかと、ドキドキします。
戦争中がそうであったように・・・。
私たち国民は、同じ失敗を繰り返さないために、知って、本気で考えなければいけないと思います。
同時に、アジア太平洋戦争の悲劇の始まりに、国民の熱狂的な支持があったことも忘れてはいけないと思います。
「台湾有事」「中国が危険」などという理由に、国民が惑わされているようで、心配になります。


ぐずぐず考えているだけじゃ、ダメだ! 
クラウドファンディングのやり方を調べることにしよう!


昨年は、ホームページを開設し、企画展や語り部の会を開き、多くの方に資料館のことを知って支援して頂きました。
今年は大きく変わる年になりそうです。が、「あきらめない」をモットーに頑張りたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。

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