『一枚のハガキ』
皆のぶんまで生きていこう~生きているかぎり生きぬきたい~
戦争末期に徴収された兵士100人のうち、94人が戦死し6人が生きて帰ってきた。
その生死を分けたのは、上官が引いた‟クジ”だったーーー。生き残った6人のうちの1人として生きた新藤監督の実体験をもとにした本作は、戦争の愚かしさを、体験者ならではの目線で、時に厳しく、時に笑い飛ばすように描いている。
中年兵として徴収された松山啓太は、フィリピンへ赴任することになった戦友から
「今日はお祭りですが あなたがいらっしゃらないので 何の風情もありません。友子」
と記された一枚のハガキを託される。
終戦後、そのハガキの送り主である兵士の妻を訪ねると、そこには夫の亡き後、たて続けに家族を失い、古家屋とともに朽ち果てようとしていた女の姿があったーーー。