木銃

長さ164cm。歩兵銃:ほへいじゅう に、着剣(短剣をつける↓写真)した時の長さと同じ。
敵兵(てきへい)と体をぶつけ合って戦う場合(白兵(はくへい)(せん))、銃剣(じゅうけん)で敵を突き刺し殺さねばならない。その白兵戦の訓練として(じゅう)剣術(けんじゅつ)が生まれた。その際に使ったのが、「(もく)(じゅう)」。戦時中、訓練は女子挺身(ていしん)隊員(たいいん)、中学校以上の生徒・学生にも()せられ、(わら)人形を突き刺す刺突(しとつ)訓練が行われた。中学校や青年学校、大学などでは銃に着剣(ちゃっけん)しての軍事訓練が行われた。

剣をつけた銃

女子挺身(ていしん)隊員(たいいん)
1943(昭和18)年9月23日、「国内(こくない)必勝(ひっしょう)勤労(きんろう)対策(たいさく)」決定。それに伴い25歳未満の女子を挺身(ていしん)隊員(たいいん)として動員し、軍需(ぐんじゅ)工場・兵器工場をはじめ市街電車の運転など、さまざまな職場で奉仕させた。小倉陸軍造兵廠(ぞうへいしょう)での「風船(ふうせん)爆弾(ばくだん)」製造には、多くの女学生が動員され従事している。

この銃剣術が銃剣道として、今年3月末に新中学校学習(がくしゅう)指導(しどう)要領(ようりょう)で保健体育の「武道」の一つになった。自衛隊の必須(ひっす)実技である銃剣術を中学校で子どもたちに教える狙いはどこにあるのか。私たちは「いつか来た道」をすでに歩んでいるのではないだろうか。

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