ちいちゃんのかげおくり
小学校3年生の国語の教科書(光村図書)にかなり以前から取り上げられています。
ちいちゃんは、4人家族。お父さんが出征する前の日に、みんなで「かげおくり」をして遊びます。
お父さんが出征してからも、ちいちゃんはお兄ちゃんとかげおくりをして遊びます。
戦争がひどくなり、とうとうちいちゃんの住んでいる町も空襲に襲われます。
お母さんとお兄ちゃんとちいちゃんは、炎の渦から必死で逃げます。
が、たくさんの人の中で、ちいちゃんははぐれてしまうのです。・・・
子ども達と一緒に学習しながら、涙が込み上げて、抑えることができなくなってしまう経験を何度もしました。忘れられないお話です。
この絵本を6年生の平和学習に取り入れてみました。
北九州市の戦争のことを学習した後、八幡の空襲を取り上げました。焼夷弾がどのような物なのか、映像で見たり、資料館から借りた焼夷弾を持ってみたりして、「知る」学習をした後で、「ちいちゃんのかげおくり」を読み聞かせました。
絵本の中の絵は、スライドショーにして準備しておき、大きく映し出しながら読み聞かせました。
どの子も知っている内容。3年生の時から3年経っていても、心に響くものがあったようです。
平和学習をつくるポイントは、「知る」ことと「想像する」ことだと思っています。
正しく知って(空襲のことであれば、焼夷弾がどんな物でどうしてどのようにして作られたか、被害の実態など)、「自分だったら」と想像することができた時、心から平和を求め、正しく考え、行動する力が育つと考えます。