ヒロシマ消えた家族
広島に投下された原子爆弾で、全員が死んでしまった家族(六人)の記録写真をもとに作られた絵本です。
お父さんは床屋さんをしていました。写真を撮ることが好きで、家族の笑顔の写真をたくさん撮っています。
子どもたちのことも大切に思っていて、一人に一冊ずつアルバムを作っていたほどです。(生後1年の昭子ちゃんのアルバムや写真は残っていません。)
お父さんは、空襲が激しくなってきた時に、大事な荷物を郊外のお兄さんの家に預けました。その中に入れられていたのが、このアルバムだったのです。
この絵本の著者指田和さんは、「広島に鈴木六郎さん一家がいきいきと生きていたのは事実。せめて本の中で、もう一度思い切り生かしてあげたい。」という思いで、絵本を作ったそうです。
そして読者に対して、「この一家と同じように戦争や原爆でいのちを落とした、たくさんの家族があったことを決してわすれないでほしい。また、戦争によるじん大な被害は日本だけではなかったことも。」と、訴えかけています。
この絵本も「ちいちゃんのかげおくり」と同様、小学6年生の社会科の学習(平和学習)の中で使わせていただきました。
まず、原子爆弾がどのような爆弾かを3つ(熱・風・光)の特徴に分け、実際の被害の様子が分かる写真と合わせて説明しました。
顔をゆがませ、目を伏せる子ども達。
「しんどい人は、無理して見なくてもいいからね。ただ、その時そこにいた人たちは、この恐ろしい光景から逃げることができなかった。みんなみたいな子どもも、もっと小さな子どもも、これが現実。この世界で生きなければならなかったということは、分かってほしいです。」
それだけは伝えました。
次に、爆弾の大きさ(2人で手をつないだくらい)と亡くなった人の数を知らせました。
そして最後に、この「消えたかぞく」を読み聞かせました。
「ちいちゃんのかげおくり」と、同じやり方で。