焼夷弾(しょういだん)
写真右/テルミット焼夷弾。直径4,7cm、長さ36cm, 重量約1,5kg 左/油脂焼夷弾。直径8cm、長さ50cm。
木造の日本家屋を効率よく焼き払うための米軍開発の集束爆弾。
38個の焼夷弾を束ねた親子爆弾を米軍爆撃機B29が、1機80発を搭載していた。上空700mほどで親爆弾が割れて焼夷弾がばらけて落下する。親爆弾が割れる際に、垂直に落ちるための細長い布に点火され、「火の雨」となって地上に降りそそぐ。逃げ惑う人々に直接突き刺さり燃え上がるという惨状が多く発生した。この重量、当然家屋の屋根瓦を破り畳に突き刺さる。軍の命令で天井板を外したのは気休めだったことは言うまでもない。
テルミット焼夷弾はエレクトロン焼夷弾とも言われ、マグネシュームと酸化アルミニュームの合金で、燃焼すると水で消すことは困難。ゼリー状のガソリンを詰めた油脂焼夷弾と併用された。この他に黄燐焼夷弾(白燐弾)などがあった。