憲兵の軍服と腕章
憲兵は陸軍のみにあって、他の兵科からの志願制であった。軍隊内の警察的任務を持つ組織で、軍紀維持、風紀取締り機関であり、軍隊がある所には必ず存在した。
また、憲兵は軍機密保護や情報取集活動も重要な任務であり、一般人の人心・行動にも絶えず目を光らせていた。国民には「鬼より怖い」存在であった。日中戦争下でのスパイ・防諜活動で捉えた中国人や英国民間人への拷問や銃殺あるいは惨殺は、戦後戦犯として追及を受けた。1,000名に及ぶBC級戦犯の内3割は憲兵であったという。
現在の自衛隊による情報収拾任務は、自衛隊情報保全隊が負っている。2007年「しんぶん赤旗」がこの隊が市民活動にも秘密裏に監視・情報収拾していたことを報じ、国会でも大問題になった。
今、安全保障上重要な施設周辺の土地利用を規制する「土地利用規制法案」が、国会で審議されようとしているが、住民の全ての個人情報を調査する権限が、自衛隊情報保全隊にも与えられる危険性は十分に考えられる。