戦争中の教科書(国民学校)
太平洋戦争開戦の1941(昭和16)年、尋常小学校は国民学校に変わった。尋常小学校の「児童身体の発達に留意して(略)教育の基礎と生活に必須なる普通の知識技能を授けるを本旨とする」が、国民学校では「皇道に則りて初等普通教育を施し」になった。国史は架空の神武天皇から始まる天皇を主体とした歴史。修身•ヨイコドモ、国語•ヨミカタ、音楽などの教科書の内容は、大半が天皇への忠節、忠勇無双の軍人・将兵への憧れを培うものであった。子どもたちの心に天皇への忠節、滅私奉国の愛国心を基に戦争讃歌が刷り込まれ、男子は軍人・兵士、女子は看護婦(現在は看護師)を夢見る子どもが育っていった。