平和をつなぐということ

資料館を手伝い始めたころの私には、資料館にある戦争史年表が、漢文にしか見えませんでした(・_・;)。

資料館の戦争史年表

「私のような、歴史に興味のない人にも、『どうやって戦争になり、どうやって国民が戦争に加担していったのか』を知ってほしい」と思うようになって、私なりに歴史を勉強。戦争史年表に解釈を加えました。

解釈を加えた戦争史年表

この作業を通して気付いたことがたくさんありました。その一つが、

徐々に変えられている

ということです。戦争をしやすくするために、「法律」が変えられたり、新しく作られたりしているんですね。初めの頃は「治安維持法」により、国民が自由に意見することを奪いました。その後戦争が泥沼化してからは「国家総動員法」に始まり、次々と法律が作られていきます。(年表にはないものもたくさん!)歴史に詳しい方からすれば、当たり前のことかもしれませんが、私には衝撃でした。

「今と似ている!?」

と、怖くなりました。
自分のことをふり返った時、仕事と子育てとを両立するだけで必死でした。世の中のいろいろな出来事は、ニュースで聞きかじる程度で、「えっ!?だいじょうぶかな。」と思っても、その時の生活で手いっぱいで、自分の意見を表明するなど、やる気力もありませんでした。でも、その間に、「安保法」「秘密保護法」「共謀罪法」などの法律が強行採決されてしまいました・・・

今、こうしてじっくりと新聞や本を読み、考える時間を持てるようになって、真剣に「平和は当たり前じゃない。努力しなければ失うかもしれない」と思うようになりました。

6月15日に国会で可決した「土地利用規制法」をご存じですか?

ずっと投稿したいと思いながら、身近に感じる出来事との絡みを見出せずにいた「土地利用規制法」のことを資料館の管理人(館長同然)の小野さんが、書かれていました。

感服。投稿許可を得たので、以下、小野さんの執筆です。

再びもの言えぬ 声出せぬ 世にしてはならない

 「コラッ!貴様ッ!写真撮ったろう!ちょっと来いっ!」
今は風景を写真に撮ったからといって、個人情報を侵さない限り警官から「ちょっと来い」は考えられませんが、終戦前をはそうではなかったのです。憲兵、警察からすぐに引っ張られました。

「要塞地帯法」というのがあって、要塞地帯での撮影、写生は禁止でした。子どもでも知っていました。門司港から洞海湾沿いの鉄路は、列車の窓の覆いはおろして外が見えないようにしました。下関から芦屋の先まで、「下関要塞地帯」だったからです。その標識は今も市内のあちこちに多く遺っています。
 旧栄盛川が、老松町から地面の下に潜るすぐ手前に立っている「下関要塞地帯標」がそれです。惣牟田(そうむた)の石峰神社第二鳥居の足元に、遠くは足立山から戸ノ上山への山道、芦屋町柏原漁港洞山足下の岩礁の上にも立っています。

八幡東区田代に残る「要塞地帯標」

この要塞地帯に対して「要塞地帯法」というのがあったわけです。前述したように、この地帯では一般人立ち入り禁止区域以外であっても、撮影、地形描写、写生は禁止で、要塞司令部の許可が必要でした。

この法律は、国民の声を封じ込んだ「治安維持法」と相まって国民生活を取り締まりました。

 今国会の終了間際、6月15日午前2時過ぎに、参議院で多数可決、成立した「土地利用規制法」。
「自衛隊・米軍の基地周辺や国境離島の土地利用を規制する。司令部や防空施設などの特定重要施設の周辺は「特別注視区域」に指定でき、200平方メートル以上の土地売買に事前届け出を義務付ける。」も付記されています。さらに原発(廃炉含む)が入ることも法案審議の中で明らかになりました。市民・住民を監視、取り締まる法律そのものではないでしょうか。
 「基地周辺の土地が外国人に売買されていて、日本の安全保障に支障が出る事態を防ぐ必要から」と、政府は説明していますが、該当自治体からの弊害等の報告はあっていないことも明らかになっています。
 住民を調査、監視するのは、警察、公安調査庁、そして、防衛相(自衛隊)ということです。
 これからは、政府が決める「重要施設」1キロ範囲は、座り込みやデモ、宣伝、チラシ配布など取締りの対象になり、刑罰が科せられます。国民の行動、声を封殺した「要塞地帯法」「治安維持法」の再来だといっても過言ではありません。
 南シナ海付近に中国、米国の艦艇が出動し、お互いにけん制しし合っていますが、そこに米国同盟軍の日本自衛艦も参加しています。「台湾有事(中国が武力で台湾を併合する事態)の際には、自衛隊など同盟軍が最前線での役割を担うというシナリオが、米軍を中心に研究されているといいます。
 沖縄辺野古基地はもちろん、鹿児島県馬毛島飛行場作り、沖縄の伊江島飛行場の米軍演習、近くは福岡県築城基地での米軍機と自衛隊機の共同訓練などすべてが、「土地利用規制法」強行成立と、大きく関わっています。
 日本国憲法を守り、戦争時代の再来は何としても止めねばなりません。(小野:筆)


 
 世界の平和を希求する日本国民として、考え、行動する自分でありたいと思います。
SNSでの意見表明。そして選挙。
「おかしい」と言う気力を失わないようにしたい。「気が付いたら戦争できる国になっている」「自分も戦争に加担している」なんてことにならないように。
ーーー自分が納めた税金が、戦闘機や戦車など「防衛」という名で「武器」の購入に使われていることを思うと、すでに?とモヤモヤします。平和を未来につなげるのだろうかと、不安になります・・・
知って、みんなで考えましょう!

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平和をつなぐということ” に対して2件のコメントがあります。

  1. 小松優喜 より:

    私は今一人暮らしをしていて、はっきり言って、自分の勉強で手一杯なところがあります。しかし、今日本のトップにたって、これからのことを決めている人達が何を決めているのかを知らなければならない、そう感じました。自分の知らないところで色々なことが決まり、それが戦争ができる国に繋がっているとしたらそれは恐ろしいことです。今の世の中は、とても仕事が忙しく、というより、仕事をわざと忙しくなるようにさせている感じがします。そうやって国民が政治についてちゃんと考える機会を奪っているのでは?と思ってしまいます。来年から就職する予定ですが、しっかり自分の働き方、なんのために働くのか、仕事におわれるために働く訳ではなく、より良い未来、幸せを掴むために働いてることを忘れないようにしたい、そう思います。
    忙しい中でもしっかりと政治についても考えていこうと思います。ありがとうございました。

  2. ひまわり より:

    こんな法律ができていたなんて、全く知りませんでした。私自身、忙しいことを理由に政治のことを遠ざけてしまっているのかもしれません。東京都議選の投票に行った人はわずか30%未満だということを知り、これではいけないと思いました。今のままでは、知らないうちに…ということが有り得るかもしれない。もっと危機感を持って、政治を見ていかないといけないと思いました。そして、自分や大切な人たちが生きる未来が平和であるよう、私自身、さらに勉強し考え、伝えていかないといけないと思いました。ありがとうございました。

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