考える人づくり①

この間、台湾のデジタル担当大臣オードリーさんがテレビ番組で取り上げられていました。

新型コロナウイルスでマスク不足が問題になっていた頃、どこの店に行けばマスクを購入できるかが分かるアプリを開発したとかで、メディアに取り上げられていて、オードリーさんのことを初めて知りました。

その時にオードリーさんが、「私は、自分のおばあちゃんに困っていることはないか聞くんです。」と言われているのを聞いて、「だれ一人取り残さない」という人権意識が、オードリーさんの才能の土台にあることに、未来への希望を感じました!(台湾が羨ましく思えたほど。)

ソクラテス問答法

確か「どんな風に育てられたか」と問われたオードリーさんの話に出てきました。
「『朝寝坊しちゃった。』という子どもに、『早く寝ないから寝坊するんだよ。』と返すのではなく、『どうして寝坊したのかな?』と、返します。子どもが、『早く寝なかったから。』と答えたら、『どうして早く寝なかったの?』と返します。子どもが、『ゲームをしていたから。』と答えたら、『どうしてゲームをやめられなかったの?』と返します。子どもは、『ゲームが面白すぎて、止められなかったんだ。』と答えたら、『これからどうすればいいだろう?』と返します。こういう風に、常に、答えを与えるのではなくて、自分で考えさせるようにするんです。」と。


さて、資料館の展示物を平和学習教材として活用してほしいと願って、本サイトにも「平和学習教材」コーナーを作って紹介しています。

今日は、「ソクラテス問答法」なんてカッコよくはいきませんが、「子ども達が考える」ことを意識して、「千人針(せんにんばり)」を紹介します。戦争中のイメージが知る前よりも広がったらうれしいです。(大:大人,子:子ども)

無事を祈って兵士のために作られた千人針

大:これは「千人針」といって、戦争中に作られたものです。何にするものだと思う?
 子:死んだ人の数を縫った?
 子:旗?
大:なるほど。よく考えたね。でも、死んだ人の数でも旗でもないなぁ。
 子:ひもが付いていて長いから、何かに巻く物?
大:お!よく観察してるね!いい線行ってる!
 子:なんて書いてるの?
大:ぶうんちょうきゅう。「士としてく続く」つまり、無事であることを願う言葉だよ。あと、必勝とも書いてあるね。
 子:あ!お守りみたいなものじゃない?!
大:おぉ~!ほぼ正解だね。


適当に創ってみました(笑)。どう子ども達が答えるかは分からないけれど、自分から考えている姿を誉めながら、子ども達の興味を引くように、子どもとのやり取りを楽しみたいですね(^^)/ 
もう少し続けます。

大:お守りといったら、カバンにぶら下げるとかだよね? 全然そんな形じゃないね。
ーーーーーぶら下げるんじゃなくて、体に巻いて使ったそうです。
 子:弾に当たっても助かるようにしたんじゃないかな?
大:すごい!その通り!!
でも・・・。触ってみたらわかると思うけど、ペラペラの布です。残念ながら、鉄砲の玉は通ります。
 子:直接守れないのは分かるけど、「守ってほしい」と思ったんじゃないかな?
大:そうだね。「願い」だね。
この「守ってほしい」という「願い」って、だれの願いかな?
 子:親。
 子:結婚相手。
 子:子ども達。
大:そうだね。もし、自分のお父さんが戦争に行ったら・・・、そんなこと絶対にあっちゃいけないことだけど、「もしも」って考えてみてね。・・・
 子:こわい。
 子:死なんでほしい。・・・
大:心配でたまらなくなるよね。「戦争に行かないで。」って、抱き付いて言いたくなる人もいるかもね。
ーーーーーーでも、戦争中は、「戦争、反対!」「戦争に行かないで!」「絶対に生きて帰って来てね。」とか自分の気持ちを表せなかったんだよ。
戦争に協力することが当たり前で、戦争に反対の考え方をしたら、憲兵」って呼ばれる人に捕まえられたんだ。近所の人同士でも、監視し合っていたんだよ。(→「考える人づくり②」へ続く)

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