多角的に知る

2月8日(木)。

休館の日ですが、子どもの村中学校の生徒さん達が、軍服を返しに来てくれました。

『ラーゲリより愛をこめて』の劇を観て以来です。(この間、劇公演を姉妹校でも行ったそうです!)

初めに、あの時、ちゃんと伝えられなかった気持ちを伝えました。(しどろもどろでしたが)

その後、自由に資料室の展示を見る時間を設けました。

写真からも伝わるかと思いますが、一人一人が自分の興味に沿って、じっくりと展示を見てくれていました。

『手に取る』だけではなく、『証言』(など書かれていること)をじっくりと読んでいる姿に、これまで学んできた足跡を見たようでした。

その後、近所の大学の食堂でお昼を済ませて、水巻図書館へ。
正確には、亡くなった連合軍捕虜の慰霊塔「十字架の塔」へ。

太平洋戦争を始めた日本は、東南アジアへと進出していきます。

当時の東南アジアは、欧米諸国の植民地になっていたため、欧米の軍隊が駐在していました。そこに日本が攻め込んだので、欧米の軍隊(連合国軍)との戦いになったという訳です。

初めは優勢だった日本。

占領した場所で、欧米の兵士を捕まえて、捕虜として日本に連れてきました。
捕虜となった欧米の兵士は、兵士として次々と出征する日本の男性の代わりに、労働力として、炭砿や工場などで働かされました。

オランダ人捕虜の描いた水巻町の炭鉱

この日行った水巻町にも大きな炭鉱があり、そこに1000人を超える捕虜が働かされていたそうです。
(ちなみに、TICO PLACE のそばにあった炭鉱の竪坑も同じ会社のものでした。)

そして、辛い労働のため、また、病気や事故のため、140人もの捕虜の人たちが亡くなりました。

さて。この事実を知った時、あなたは何を考えますか?

ーーー『ラーゲリより愛をこめて』は、日本人が抑留されて『働かされた』事実を伝えるもの。
ーーー『十字架の塔』は、日本人が、他国の人々を捕虜として『働かせた』事実を伝える場所。

「された」ことを知ることは、まずは大事なこと。戦争の愚かしさや人間の恐ろしさなど考えることができるかもしれません。

でも、「された」ことだけでなく、「した」ことを知ると、また考え方が変わるのではないのでしょうか?

どうしてそうなったのか、疑問を持ち、調べて知る。
そうやって知った「した」ことと向き合う。

「人間」って何だろう?
とか、いろいろ考える・・・


そして、どうしたら、過去の失敗を繰り返さないか。と考える。
戦争をしない方法を 本気で考える。

こういうことを一人一人がすることが、未来の平和につながっていくのだと思います。

だから、「多面的」に事実を知り、考えることが大切だと私は思うのです。

「いい勉強の仕方をしているなぁ~!」

子ども達がプレゼントしてくれた色紙より

と、改めて感心させられました。

真摯に『事実』に向き合う子どもたちの姿に未来への希望を感じ、思わず心の中で
「これからも共にがんばって行きましょう!」
と声をかけていました。

平和と感謝の証として、収穫したはっさくを差し上げました!!

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多角的に知る” に対して1件のコメントがあります。

  1. 二之宮 より:

    さっそくみかんが活躍しましたね。平和学習の場所として、便利に行けて、分かりやすくて、活用してくれる子供たちにも指導する先生にも感謝です。十字架のとうまで行って学習されて、凄いです。十字架のとうの世話をされている80代の黒河さんも喜ばれると思います。次にお会いするとき、お話ししてみますね。

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