子ども達の来館~義手と握手~

7月31日(月)。7月最後の日。

この日は、たくさんの子ども達が来館しました。
(予約してなくて、お話できなかった方々もおられました。申し訳ないです。)

太宰府から来た子ども達。
1年生から6年生。そして、高校生。
年齢は様々ですが、集団の中に思いやりを感じることができて、楽しいひと時を過ごさせていただきました。

まず、活発な子が「義手」に気付いて、
「うわぁ~!!手がある!!!」
と、大騒ぎ。

この義手は、TICO PLACEが開館して間もなく、佐賀にお住まいの方から寄贈されたものです。
「お父さんとの思い出の詰まった義手」ですが、「この遺品を通して、戦争のことを伝えてほしい」と、寄贈してくださいました。

子ども達は興味津々です。
何とか、義手に腕を入れようとしている活発な子。
でも、腕は入りません。(途中で仕切られています)

「どうして腕が入らないのかな?」
「この腕を使っていた人は、どうして腕がなかったと思う?」・・・

私の質問に、子ども達は「考える」顔になり、それぞれに考えたことを発言してくれました。

一人一人の考えから少しずつ想像を膨らませて、正解(戦争に行って弾に当たった)にたどり着く、その過程が楽しかったです。

「木に当たった弾が跳ね返って、右手首に当たって、手首を怪我したそうです。」
「放っておいたら、ばい菌が入って腐っていくからと、腕全部を切り落とされたそうです。」・・・

説明を聞きながら、恐る恐る『手』に触る子ども達。

「利き腕がなくなったら、どうかな?」
ーーーー「字が書けん」・・・

と、その後の苦労や、どうして作った「腕」を付けたかを考えてもらうなどしてもらい、『その人』のことに思いを馳せました。

どのくらい想像できたかは、年齢差もあり、それぞれ違うと思います。

見ると、一人の子が、その『手』と握手をしたんです。(腕相撲も!)

「きっと、この『手』を使っていたおじちゃんは、天国で喜んでるよ。みんなと握手したり、腕相撲したりできて。」

と、思わず言いました。すると、違う子もその『手』と握手をしたんです。

「みんな、握手してみる?」

一人一人が、そっと自分の手を、動かない手に合わせて、握手をしていきました。

この『手』の持ち主の生前のご苦労を聴いている私は、そんな子ども達の姿に、「あ~よかった。届いていますよね。」とTさんに語りかけていました。(つづく)

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